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更新日:2022.12.29 / 掲載日:2022.12.29

新型三菱デリカミニ登場! トレンドのSUVチックなモデルたち

デリカミニ初披露!! 増殖する“それ風”モデルの注目5車まとめ!!

「デリカ」を名乗る軽スーパーハイトワゴンが登場! 乗用車ベースのクロスオーバーSUVが市場を席巻して久しいが、デリカミニは走破性ではなくデザインが売り。この機会に、こうした言わば“見た目優先SUV”について考察しつつ、各車の特徴をまとめてみた。

●文:川島茂夫

SUV“的”モデルアルバム

悪路性能にこだわらず
標準的なスタイルに!?

 北米でミニバンが流行っていたころの話だが、同地在住の知人はミニバンを「ママズワゴン」と呼んでいた。説明を求めるまでもなかったが、子どものためのファミリーカーはクルマ好きにとっては忸怩たる選択と思えたようだ。
 ファミリー色を薄めたファミリーカーが売れセンなのは否定できない。例えばプレミアム感やスポーティ(エアロ系)などの演出を施すわけだ。もっとも、それはそれで「パパズワゴン」ではあるが。
 そのファミリー色払拭の第三の手法にSUVルックを置くと、SUVの走破性を求めないSUVの増加も理解しやすい。
 その最たるカテゴリーが軽乗用のハイト/スーパーハイト系だ。ブレーキによる空転制御などで滑りやすい路面でのトラクション性能の嵩上げを図ったモデルもあるが、ジムニーを除けば軽乗用の4WDシステムはVC(ビスカスカップリング)式。性能的には生活四駆でもベーシックなタイプであり、SUVの求める悪路走行向けではない。しかも最低地上高も標準モデルと大差ない。SUVをモチーフにしたドレスアップモデルと捉えるのが無難である。
 クラッディング等でタフな印象を演出しても見た目だけ。悪く言えば「なんちゃってSUV」なのだが、それを言えば標準系以外は「なんちゃってプレミアム」「なんちゃってスポーティ」である。
 しかも外観プレミアム系やスポーティ系よりも背高パッケージングとの相性がいい。見た目にも全高制限が緩いSUVはセダン/ワゴン系よりキャビン高を高くしたプロポーションを採用。つまりSUVはハイト系パッケージングが基本なのだ。ならばハイト系をSUV的に演出するのはアリ。SUVの本旨はアウトドア趣味のレジャー&ファミリーユース。脱ファミリーではないのだからレジャー&ファミリーユース向けのモデルとの相性もいいのは当然だろう。
 悪路にも果敢に踏み込むアドベンチャーファミリー志向となると高い悪路踏破性も必要。この視点で見てしまうと非悪路系SUVはニセモノ的モデルといった印象を持つかもしれないが、実際に悪路に踏み込むかどうかは別として、家族や友人とレジャーを楽しむために選択したモデルらしいルックスではある。ファミリーカー感を減らしてなおレジャー&ファミリーのイメージが強化できるのだから、母性的フレンドリィ志向と距離を取りたいユーザーには狙い目。あるいはレジャー&ファミリーの新たなデザイントレンドにして次世代の標準的スタイルになる可能性も見えてくる。

MITSUBISHI デリカミニ

軽スーパーハイトワゴン
◎デリカ55周年! 2023年初夏発売予定
◎史上最小! でもデリカらしさは大盛りだ!!

タフネス感がバツグン!
デリカを名乗るのも納得

 ミツビシは現行デリカD:5のイメージを投影した外観のeKクロス系を展開している。公表された外観写真からすれば、eKクロススペースと同様に、eKスペースをベースにSUVルックに仕立てたモデルと考えていいだろう。つまり、加飾の異なる姉妹車というわけだ。
 フロントマスクの印象は大きく異なっている。光り物加飾が多くプレミアム感たっぷりのeKクロス系とは異なり、骨太感のある面構え。ホイールアーチ周りのクラッディングも大きく、タフネスを強調。サイドシルの高さを見ると寸法諸元はeKクロス系と大差ないと予想されるが、キラキラのプレミアム感を抑えたことでSUVらしい道具感が出ている。

【キュートな半円ライト】デザインコンセプトはおなじみの「ダイナミックシールド」。半円形のLEDポジションランプを内蔵するヘッドライトが親しみやすい表情を生んでいる。前後バンパー下部はスキッドプレート形状としてタフさをプラス。ボディカラーは新開発のアッシュグリーンメタリックだ。なお、東京オートサロン2023(1/13・金〜)での実車展示が予定されている。
【デッカい車名ロゴ!!】フロントバンパーとテールゲートガーニッシュに立体的な「DELICA」ロゴを採用。軽スーパーハイトとミニバンはともに背高フォルムで、これぞデリカ!という仕上がりだ。

DELICA 55 YEARS

はたらくクルマから
家族の頼れる相棒へ
 空間効率の良さを活かして用途を広げつつ代を重ね、4WD投入で人気爆発。今なお一車一ジャンルと言うべき独自の存在感を放っている。

DAIHATSU タント ファンクロス

軽スーパーハイトワゴン
◎第3のタント登場!!
●発表日(最新改良):’22年10月3日(未実施) 
●価格:172万1500〜193万500円

カスタム系より安価に
タフなルックスをゲット
 元々がボンネット/フロントマスク周りをボクシーな造形にしていることもありSUV的にゴツイフロントマスクにするとタフトと似たような雰囲気も感じられる。タフトほどタフネスを強調してはいないが、ダイハツミニのSUVラインが構築できそうだ。もっとも、タフトはVC式4WDながら最低地上高に余裕がある。悪路対応力ではタフト代替にはなりえない。
 単一グレード構成で、NA仕様/ターボ、FF/4WDの4モデルを展開。標準系最上級グレードに対しては約16万円高だが、カスタム系に対してはNA/ターボ車共にファンクロスが約6万円安い価格設定であり、価格面でも魅力的だ。

オレンジの差し色やカモフラージュ柄のシートがファンクロスらしさを表現。シート表皮は撥水加工のフルファブリックだ。
左側センターピラーレスのミラクルオープンドアは、アウトドアで遊びのベースとして使用する時や大物の積載時に大きな武器となる。
防水加工のリヤシートバックや後席USBソケット、ラゲージルームランプなどを採用。

DAIHATSU タント

◎カスタムは新デザイン!
●発表日(最新改良):’19年7月9日(’22年10月3日)
●価格:138万6000〜199万1000円

装備内容やカスタム系のデザインを見直し
 現行型はDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)第1弾としてデビュー。最新改良ではスマホ連携機能の強化やカスタム系のフェイスリフトを実施した。

HONDA フィット クロスター

コンパクトカー
●発表日(最新改良):’20年2月13日(’22年10月6日)
●価格:207万2400〜262万200円

HONDA フリード クロスター

ミニバン
●発表日(最新改良):’16年9月16日(’22年6月23日)
●価格:257万2900〜306万7900円

主力2車種に設定されるが
手法は異なる

 現行フィットから登場した新趣向グレードがSUVをモチーフにしたクロスターだ。ホイールアーチ周りのクラッディングや鼻打ち考慮のフロントバンパーデザイン、大径タイヤの採用などSUVルックへのドレスアップ手法はオーソドックス。また、大径タイヤの採用により最低地上高が標準系より大きくなっているが、その違いは小さく、悪路向けのシャシー設計は採用していない。
 一方、フリードは同じくクロスターのグレード名を冠しているが、フィットに比べるとSUV濃度は低めの外観。標準車との主な差異は前後のバンパー周りとルーフレール等。装着タイヤも標準系と同サイズである。

SUZUKI スペーシア ギア

軽スーパーハイトワゴン
●発表日(最新改良):’18年12月20日(’21年12月3日)
●価格:172万5900〜192万2800円

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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